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【欲しいぜ、アーカシュ】

先月5日、インドのカピル・シーバル(Kapil Sibal)情報技術担当大臣は、インド国産のタブレット端末「アーカシュ(Aakash)」を発表した。そして今月11月5日販売価格は1台2,276ルピー(49ドル)、日本円で約4,900円と、史上最安のタブレット端末である。
同端末はオペレーションシステムにGoogle社製「アンドロイド(Android 2.2)」を採用しているため、もし日本やその他の国のユーザーが手にしても使いやすいはずだ。画面サイズは7インチ、重量は350グラム、記憶容量は32GBまで拡張可能で、出荷時は2GBのフラッシュメモリを標準装着している。また、早くもバージョン2の話が出てきている。新型機はCPUは800MHz、メモリは1GBで、来年2012年の2月に発売予定だという。

 アーカシュはヒンディー語の「空」という意味で、インド政府主導により誕生した。開発を請け負ったのはカナダに本社を置く、インド系カナダ人が代表を務めるワイヤレス通信端末メーカー「データ・ウィンド(DataWind)」社だ。インド政府は製造費用の一部を負担している。そこまでしてこのタブレット端末を普及させる狙いは、インド国民の情報格差の解消と、国内IT技術の底上げだ。政府は2017年をまでに、大学などの教育機関で浸透させることを計画している。

しかしタブレットの普及と共に、伸ばしていかなくてはならないのがインターネット普及率だ。国際電気通信連合(ITU)が2009年に発表したデータでは、インドのインターネット利用者は6,130万人、普及率はわずか5.12%となっている。アーカシュは携帯電話同様のSIMカードが入るスロットを搭載しているものの、現時点では無線LANであるWi-Fiによる使用に限定されている。従って使用のためには、インターネット設備を整える必要がある。都市部であればともかく、地方では未だインターネットの整備が進んでいない。通信できなければ、タブレットも単なる電卓だ。最先端のタブレットが安価で手に入っても、それ以前に通信手段がない。まだしばらくは「テレビを買ったが、電波が入らないので観られない」のような状態が続きそうだ。

インドは「IT立国」としてバンガロール、ハイデラバードなどの都市が有名だが、実際はインターネット普及率からも分かるように、国民全体の情報格差が大きいという矛盾を抱えている。今回アーカシュが開発された背景には、そうした格差を解消する狙いがある。まずは教育現場から情報端末を普及させ、使用者を増やすことで必然的に通信網の発展を促進していこうというのだ。

2020年、インドは中国を人口的にも経済的にも超えると予測されている。加えてもし、アーカシュによりインドの情報技術が完璧なものになれば、インドは巨大な先端国家になるだろう。それは「インダス文明の再興」と言っても過言ではないのか?(終)


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