インドの洗練された言葉|サンスクリット
ナマステ!インドに呼ばれた気がして思い切って渡印してしまった日本人スタッフの稲垣です!
インドの言葉といえばヒンディー語ですが、もうひとつ忘れてはならない言語があります。
今回は、サンスクリットについてお話ししようと思います。
サンスクリットとは
サンスクリット(Sanskrit)は、インドの古代語で、インド亜大陸で使用されていた最も古い言語の一つです。サンスクリット語は、インドの宗教、哲学、文学の基盤を形成し、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教など多くの宗教的な文献がこの言語で書かれています。サンスクリットは、インド・ヨーロッパ語族に属し、古代インドの文化を理解するための非常に重要な言語です。
漢字表記では梵語とされます。これは、創造神梵天(ブラフマー)が由来にあるそうです。日本でも古代から漢訳経典を通して『梵語』という表記が使われていたので、みなさんもこちらの方が身近なのではないでしょうか。
歴史
サンスクリットは、ヴェーダ(古代インドの宗教的な経典)やウパニシャッド、バガヴァット・ギーターなどの古代の文献に記されています。サンスクリットの起源は、紀元前1500年頃にさかのぼるとされており、これらの初期の文献は、主にヴェーダ文献として知られています。
サンスクリットの特徴
では、具体的にサンスクリットがどんな言語かを見ていきましょう。
- 文法: サンスクリット語は、屈折語(inflected language)であり、語形変化が非常に多く、名詞や動詞が文脈に応じて変化します。屈折語と言うと少し難しい感じがしますね。簡単に言うと、単語が文中の役割によって変化するかどうかと言うことです。日本語と比較すると、名詞がわかりやすい例だと思います。日本語では、名詞の後に『が、は、を、に』などの助詞をつければ、その単語が主語なのか、目的語なのかを判断できますよね。この時、名詞は変化しません。しかし、屈折語の場合、助詞なしに、この名詞が変化するんです。単語に性がある場合はなおさら変化します。男性名詞、女性名詞、中性名詞など、、。ここが言語勉強の難しいところですよね。日本語にはないからわからない。覚えられない。また、「日本語と比較するときに」と上で述べたのは、動詞が変化するのも屈折語の特徴だからです。ドイツ語やフランス語などは、一つの動詞に、男性、中性、女性、現在、未来、過去、一人称、二人称、三人称、その他格(主格とか目的格、与格、呼格、属格など)に全ての活用があるんです。「動詞は日本語も活用するじゃん!」とこんがらがるので、名詞を例に挙げましたが、よく考えれば、「日本語そんなに変化しないわ」と。特にドイツ語は大変です。第2外国語の授業でドイツ語をとったことがある人はわかるはず、大変、、。
- 音韻体系: サンスクリット語には、非常に発音に注意を払った音韻体系があり、特に母音と子音の組み合わせが厳密に決められています。
- 語順: 語順は柔軟で、名詞や動詞の位置が文脈に応じて変化しますが、基本的には主語-目的語-動詞(SOV)順です。そりゃああそこまで屈折されたら語順ぐらいゆるくないと大変ですよね、、。ありがとう、柔軟な語順。
サンスクリットの重要な文献
サンスクリット語では、多くの重要な文献が書かれました。
- ヴェーダ:最古の宗教的経典であり、ヒンドゥー教の基礎となるテキストです。リグ・ヴェーダやヤジュル・ヴェーダ、サーマ・ヴェーダ、アタルヴァ・ヴェーダの4つのヴェーダがあります。
- ウパニシャッド:哲学的な教えがまとめられたテキストで、ヒンドゥー教の宗教哲学を学ぶための基本文献です。
- バガヴァット・ギーター:ヒンドゥー教の重要な経典で、神と人間の関係、倫理、行動の哲学について述べています。
- マハーバーラタとラーマーヤナ:サンスクリット文学の中で最も重要な2つの叙事詩で、ヒンドゥー教の神々や英雄的な物語を描いています。
サンスクリットの現代における使用
サンスクリットは、古代から中世にかけて広く使われていましたが、現在では日常言語としては使われません。しかし、サンスクリットは依然として宗教的、哲学的、学術的な文脈で使用され続けています。インドのヒンドゥー教の儀式や仏教の祈りではサンスクリットが使われることがあります。また、インドの一部の学校ではサンスクリット語が教育課程に組み込まれており、サンスクリットを学ぶことができます。
まとめ
サンスクリット語は、古代インドの文化や哲学、宗教を深く理解するための鍵となる言語であり、その影響は現代の多くの文化や言語に広がっています。サンスクリットは単なる言語以上に、インドの精神的な世界を反映した文化的遺産であり、学術的にも宗教的にも非常に重要な役割を持ち続けています。
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